「共通点」と「違い」という考え方

 

 

 

 

治療院の集客サポートをしている中で、業種を問わず、ほとんどの院長は

「相手の気持ちを理解する」という視点が、スッポリ抜け落ちてしまって

いることに気付いたからです。

 

例えば、カイロプラクティック院の院長は、当然のようにいきなりチラシ

やHPなどで、カイロプラクティックの歴史や技術などを、詳しく解説しています。

 

では、一体、これの何が問題なのでしょうか?

 

答えは、そもそも、一般人は、カイロプラクティックと整体、指圧などの

違いを分かっていないことです。

つまり、カイロと整体など、両方の違いも理解していないうちに、いきなりカイロプラクティックの詳細を説明されても、頭の中は「?」で、素人

は理解できません。

なぜなら、悲しいことに人間は、既に自分が知っている事柄と関連付けないと、新しい知識を身に付けることは、出来ないからです。

 

その為、最初に、カイロプラクティックの歴史や技術を説明するのは、お客様の理解という点では、全く無意味になってしまいます。

カイロプラクティックを、お客様に分かって欲しいならば、人間の認知の

仕組みを理解した上で、整体との「違い」というテーマで、説明するのが

お薦めです。

 

更に、もっと効果的な手段として、違いにだけ目をむけるのでなく、両方の「共通点」も挙げて、「違いと共通点」という枠で説明するのもお薦めです。

なぜなら、カイロプラクティックと整体の、両方の「違い」ばかりを強調すると、勢い文章自体も、本人が気付かないうちに、他業種の手技を批判するような内容になってしまう可能性があります。

 

ところが、一般人には、そんなことはどうでも良いことで、逆に他業種を

批判する文章を書く院に対して、技術的な詳細は分からなくても、

 

 

「何か、ここは嫌だな」

 

 

と、マイナス感情だけが、生まれてしまいます。

 

その為、院長自身が、この思考の罠にはまらない為にも、両方の違いに目を向けつつ、同時に共通点もセットで考えるのがお薦めです。

 

院長によっては、カイロプラクティックと整体は全く違うとおっしゃる方

もいます。

それでも、両方にまるで共通点が無いということはあり得ないはずです。

例えば、カイロプラクティックと整体も、メインは機械でなく、院長が

手技により施術をする点は同じです。

 

更に、どちらも手技の施術なのでお客さんは薬を飲む必要はありません。

つまり、薬による副作用も発生しない点は、どちらも共通しています。

また、両方とも、元々、人間本来に宿る「自然治癒力」を働かせるという

思想を持っています。

もちろん、表現方法などは、微妙に異なりますが、根底にある哲学は同じ

はずです。

 

このように、両方の共通点もHPやチラシなどで書いてあるならばその後

カイロプラクティックと整体の違いを書いても、見ている側は何も違和感がありません。

 

例えば、一つの事例として、その起源が挙げられます。

カイロプラクティックの場合、パーマー親子が創始者と、その起源は、

はっきりしています。

一方、整体は、様々な流派があり、更に、中国からの東洋医学と、日本古来の民間療法も混ぜ合わさり、そのルーツがはっきりしません。

これは、ただ事実を書いただけなので、読んでいる側は、整体の悪口を書いているなどとは思いません。

 

更に、「カイロプラクティックは、日本では知名度は低いけれど、国連機関の一つであるWHO(世界保健機関)では医療として認められている」

 

 

と書いても、これも事実なので、だからと言って、整体を攻撃していると

考える人は少ないでしょう。

 

このように、カイロプラクティック院の院長が、カイロプラクティックに

ついて説明したいならば、「カイロプラクティックと整体」とセットで考えて、更に、両方の「共通点と違い」の枠で説明するのがお薦めです。

 

この方法ならば、一般人に、自院がマイナスの印象を持たれることもなく

カイロプラクティックを正しく理解してもらえるはずです。