治療院集客の対症療法と根本療法

 

 

 

院長なら誰でも知っている通り、施術には、対症療法と根本療法の計2種類

があります。

対症療法とは、対症の言葉が意味するように、現在の痛みに対して、表面的なアプローチを取ることです。

 

たとえば、腰など、体のどこかが痛い場合、周辺の筋肉が固くなっている

ことが多いので、マッサージを固くなった筋肉の周辺に行うことが対症療法です。一方、これより更に高度で効き目もあるのが「根本療法」です。
根本療法を、前述の腰痛のケースで考えてみましょう。

 

根本療法では、漢字が示す通り、ある人が腰痛で苦しんでいる場合、原因は、単純な筋肉の緊張でなく、背骨を中心にした骨格のゆがみだと考えます。その為、根本療法を採用している院では、(主にカイロプラクティックなど)筋肉への一時的なマッサージなど行わず、ゆがんでいる骨への矯正を行います。その為、一般人には、カイロプラクティックというと、どうしても、

 

「骨をバキバキされて、痛くて怖い」

 

というイメージがあります。

このような、マイナスな印象もありますが、私は、初めて、根本療法の意味を聞いた時、

 

 

「これは、とても論理的で、確かに効果のありそうなアプローチだなあ」

 

と感心しました。

 

一方、このお仕事で、多くの治療院の院長達から、集客上の悩みを聞くに

つれ、治療院集客でも、対症療法と根本療法の考えは、そのまま応用できることに気付きました。

つまり、治療院集客での対症療法とは、

 

*チラシの表現を工夫する

 

*ニュースレターを発行する

 

*一度、治療院を利用したお客様にDMを出す。

 

などの仕事です。

実際、チラシ1つでも、院長の顔写真を入れる、技術の詳しい説明文を載せるなど、少し表現を変えるだけで、反応は倍以上の差が出ることもあります。また、ニュースレターについても、私自身、過去1年間、実験的に配布を行った経験からも、確かに費用対効果は高いと言えます。

ところが、これらの対症療法的な集客アプローチを行う前に、そもそも、治療院集客では、最初に下の6点を、全て明確にしておく必要があります。

 

 

1)そこの治療院は、施術がメインなのか?それとも、マッサージを中心に

  提供しているのか?

 

 

2)院長がメインに実践している技術は、どんなものなのか?

 

 

3)なぜ、院長は治療院をオープンしたのか?(院長の動機について)

 

 

4)院長の詳しいプロフィールはある?

 

 

5)院長メッセージ(院長が、治療に対して考えていること)は何?

 

 

6)ここの治療院の特徴は、一言で何?(治療院の特徴を、分かりやすくお

   客様に伝える、キャッチコピーはあるか?)

 

 

これら6点で、院長が完璧に答えられるようにすることが、治療院集客での

根本療法です。

 

では、幾つか具体例を挙げてみましょう。以前、ある整骨院のチラシを見た時のことです。

整骨院なので、当然、施術メニューが中心になるはずですが、そこの施術メニューには、なぜか「リラクゼーションマッサージ」メニューが掲載されていました。

 

これでは、お客様は、そこの治療院、一体、施術中心なのか、それともマッサージがメインなのかが分かりません。

つまり、このお客様の疑問を解消しないで、いくらチラシの表現などを工夫しても、それは、ただ筋肉の緊張をほぐすだけの表面的なアプローチです。

このケースでは、まず、ゆがんだ骨を元に戻すことが先決になるように、治療院のタイプを、どちらか1つに絞る必要があります。

 

また、技術がメインの治療院でも、根本療法的アプローチは、当てはまります。以前、見かけたある整体院では「おなか整体」という技術を名乗っていましたが、いくら、HPやチラシを見ても、おなか整体について、一般人が理解できる説明が、全く載っていませんでした。

このケースでも、まずは「おなか整体」という技術について、きちんとお客様が理解できるように説明する必要があります。

そうでないと、お客様の頭の中には、

 

「一体、おなか整体って何なの?」

 

「どんな施術をされるの?」

 

と疑問が、ずっと残ります。

そのようなお客様の心理状態のままでは、いくら、チラシやニュースレターを書いても、その効果は半減してしまいます。

 

私は、院長さんと面談する時は、いつも上の6点について聞いていますが、意外と、スラスラと答えられる院長さんは少ないです。

また、院長は、自分では分かっていると思っていても、実際は、技術的な内容でも、全然、お客様に伝わってないことなども多くあります。

 

治療院の集客でも、根本療法的な考え方は、有効だと思いますので、ぜひ一度、再チェックしてみてください。