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トンカチと釘について
この仕事をしていると、リピート率が50%前後しかない治療院を見かけることもあります。 それらの治療院では、院長の技術に情報を追加するという発想が欠けているので、お客様は、施術の効果で痛みがなくなったとしても、なぜ自分の体は良くなったのか分からないままです。 そこで、リピート率を上げる為に必要になる「情報」という付加価値について、深く掘り下げてみましょう。
ただし、いきなり「情報」と言っても、あまりに漠然としているので、ここでは治療院の経営で、必要な情報だけに絞って考えてみましょう。 治療院のように、店舗型ビジネスで、必ず必要になる情報は、
コンセプト + キャッチコピー
の2つです。
実際、治療院で、コンセプト、キャッチコピーの2つを、過去にじっくりと 考えてこなかった所は、リピート率だけに関わらず、経営的に苦戦している所が多いです。 そうは言っても、自分にぴったりな、コンセプト、キャッチコピーを見つけることは大変です。 私も、散々苦労して、最終的に出来た、コンセプトが、
「治療院の院長達は、最終的に、人に宿る自然治癒力を、最大限引き出す ことを目的に施術を行っている。 自分の役割は、自然治癒力を引き出す為に、懸命に施術を行っている院 長達を経営的にサポートすること」
でした。実際、HPの「代表から一言」の項目に、このような文面を載せましたが、私の場合、自然治癒力という言葉に、なぜか惹かれてしまうことが、コンセプトの核となる部分でした。
キャッチコピーは「治療院の集客をサポートします」ですが、これだけでは、当たり前すぎて、意味が弱いです。 そこで、もう一つのキャッチコピーとして「開業1年目」という言葉を足しました。 これは、無料/有料テキスト、全てに共通するタイトルで「治療院の集客をサポートします」だけでは、アピール不足な点を補足する為に用意しました。
私は、院長にお会いすると、いつも、院長には、治療院にあった、コンセプトとキャッチコピーを作りましょうと提案します。 ただし、いきなり、コンセプトとキャッチコピーを作るのは大変困難で、普通は、簡単に作れるものではありません。 そこで、私は、最近、院長には、トンカチと釘のたとえを使って、コンセプトとキャッチコピーを作ることを提案するようにしています。 つまり、
トンカチ=コンセプト
釘 =キャッチコピー
です。トンカチで、釘を打つように、コンセプトと、キャッチコピーの両方で、見込み客の心に刺さるようにする(=来店させる)という意味です。トンカチと釘の比喩は、以前アル ライズという日本でも有名なマーケティング専門家の著書「マーケティング脳VSマネジメント脳」を読んだ時に、ヒントを得ました。
とにかく、このたとえを使うと、難解なコンセプトとキャッチコピーについても、院長は、大分イメージしやすくなるようです。 また、院長が、治療院のコンセプトと、キャッチコピーを考える過程で、院長自ら、
「この技術用語では、お客様に意味が伝わらないなあ〜」
などに気付くようになります。 これは、私にとってもプラスに作用します。なぜなら、人は他人に問題を 指摘されても、どうしても感情的な面から、認めたくないものです。
ところが、治療院のコンセプト作りのように、別の仕事をしている過程で 院長自ら気付いたことに関しては、本当に納得してくれます。(言わば、腑に落ちるという感じです)。 これは、私が10回同じことを院長に説明するより、よっぽど効果的で、最近、結果的に、治療院のコンサルティングでも、この手法は有効なことに 気付きました。
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