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頸椎1番、2番について
院長には、いつもお会いする度に言っているのですが、いきなり専門用語 で説明されても、素人にはさっぱり意味が分かりません。ところが、専門家である院長には、自分が技術を学ぶ程、
「そもそも、患者さんは何が分からないにかが、分からなくなる」
という皮肉な状況に陥ることが多いです。
これを、私は『プロ化の罠』と呼んでいますが、このトピックは多くの院長達に響くようです。(HPにも写真が掲載されていますが、以前、このテーマでセミナーを開催した程です)。
私が勝手に命名した『プロ化の罠』とは、別の表現をすれば、院長と患者さんの認識の違いなので、別の造語で私は『認識ギャップ』とも呼んでい ます。 技術に対するこだわりが過度に強い院長は、このような素人の認識を考慮することがないようです。 また、自分は専門家というアピールをしたいからなのか、普段から、この種の院長は、患者さんに対して普通に
『頸椎1番』、『2番』
などと言ってしまいます。
ところが、素人である患者さんは、いきなり1番、2番などと言われても、 それが体のどの部分を指すのかが全く分かりません。
私などは、プロレスが好きなので、自分が寝違えて首を痛めて治療院に 行った時、1番と言われて、一瞬、昔、新日本プロレスによく参戦していた 若かった頃のハルクホーガンを思い出してしまった程です。
このような技術用語一つとっても、やはり患者さんの気持ちを理解している繁盛院の院長達は違います。 私が、以前お会いしたある院長は、頸椎1番などと言わずに、骨の模型を使って、場所を指しながら、
『この部位』
などと説明していると教えてくれました。更に、そんな患者さんを煙に巻くような専門用語を、わざわざ、たくさん使う必要もないと言っていました。
こういう柔軟さは治療院経営で必要だと思います。ことわざでも、
『こだわりなんか犬も食わない』
と言いますが、技術用語に対する過度なこだわりも、患者さんの立場から したら不要です。現に、このような患者さんの気持ちを分かっている繁盛 院の院長さんは、以前、私に、
『患者さんの痛みについて説明する時、自分は玉ねぎの皮のたとえを使 って説明している』
と教えてくれました。私が興味を持って、玉ねぎの皮のたとえの意味を聞いたところ、
『要するに、玉ねぎの皮を1枚、1枚むいていくように、1回、2回と施術を 受ければ段々と痛みが取れていき、最後には痛みがなくなるという意味 です。玉ねぎの皮のたとえを使えば、患者さんは皆、言葉の意味を理解 できます。だから、わざわざ院長の自己満足のような難しい専門用語を 使う必要はない』
と話してくれました。
技術/技術用語に対するこだわりが強すぎる院長様達は、このような柔軟さも必要だと思います。
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