マイナスからゼロの発想法

 

 

 

治療院経営では『マイナスからゼロ』という発想が大事になります。

ただし、この点は意外な盲点で、ほとんどの院長が、普段意識していないようです。では、下記にマイナスからゼロの意味を説明しましょう。

 

マイナスからゼロとは、つまり

 

 

『痛みのある状態(=マイナス)から痛みの無い状態(=ゼロ)にする』

 

 

ことです。ここが同じ店舗型ビジネスでも、飲食店などと違って治療院での際立った特徴です。治療院では、単純にマイナスをゼロの状態に持っていけるだけで、繁盛院になれます。

 

ところが、冒頭で述べた通り、多くの院長が、この点を見逃して、間違ったメッセージを見込み客に発信しています。

間違ったメッセージとは、いきなり、HPやパンフレットで、

 

 

『予防としてのメンテナンス』

 

を全面にだしてしまうことです。もちろん、誤解のないように言いますが

メンテナンスとしての来店は重要だし、お客様にとっても、メンテナンス

での来店という選択肢を提供してもらうことはプラスの情報です。

ただし、治療院経営の根幹である『マイナスからゼロ』を理解してない院長は、最初から、予防としての定期的なメンテナンスでの来店の情報を全面にだしてしまうのです。

 

これは、順番としては逆です。

 

なぜなら、まずは、施術を受けて、痛みがなくなる状態になる=マイナスからゼロになった患者さんが、そこで初めて、

 

 

『今後は、痛みが再発しないように、予防として、メンテナンスでの来店

 も検討したい』

 

 

と考えはじめるからです。

つまり、現実的に、今どこも体に痛みのない方が、いきなり予防として

治療院に行くことは考えにくいです。

同じく、現在、慢性的な腰痛などの症状で苦しんでいる人が、痛みも治まってないのに、痛みが完治した後のメンテナンスでの来店を考えることも

まずありえないことです。

その為、治療院経営では、最初のメッセージは、マイナスからゼロにするべきです。

 

もちろん、メンテナンスとしての来院という情報も、HPなどに載せても

良いですが、それは、あくまでも、

 

『将来は、メンテナンスとしての来店という選択肢もありますよ。また当

 院では、メンテナンスで来院した方を追い返すようなことは、しません

 よ』

 

 

ということを、お客さんに知ってもらう為です。つまり、メンテナンス情報は、あくまで捕捉的なものです。

実際、私がHP文章の作成を手掛けている治療院でも、メンテナンスでの

来院の情報を増やしすぎない、また、HPにも目立たせすぎないように注意しています。

 

では、なぜ未だに少なくない数の院長が、メンテナンスの情報を全面に出すようなミスをしてしまうのか?

理由としては、おそらく、飲食店など他の店舗型ビジネスが治療院とはま逆で、

 

 

『ゼロからプラスを提供する』

 

 

ビジネスだからだと思います。

つまり、飲食店の場合は、そこのお店に行くことで、食欲が満たされる、会話を楽しむ、レストランの雰囲気を楽しむなど、お客さんを、トータル

な面で、ゼロの状態から、プラスに持っていくことが目的だからです。

 

その為、一部の院長達は、ついつい、無意識の内に、治療院の宣伝でも、

他業種のように、最初から、

 

 

『ゼロからプラスの情報提供』

 

 

になってしまうのでしょう。

 

これは、意外な盲点なので、ぜひとも気をつけてください。なぜなら、私が、見てきた中では、治療院経営関連の書籍でも、この点を明確に指摘した本は見たことがないからです。