院長が、患者様に言ってはいけない一言

 

 

 

第三者的な立場で、外から治療院を見ていると面白いのですが、施術に関するプロセスでは、院長それぞれに独自の考えがあります。

たとえば、私の場合、院長とお仕事する時は、必ず、

 

 

『施術は、院長と患者さんの共同作業』

 

 

という文章を、HPや、パンフレットに載せましょうと提案します。

なぜなら、上の『共同作業』という文面を、あらかじめ入れておかないと

治療院に来る患者さんは、ただ一方的に、

 

 

『院長さんに治してもらおう』

 

 

と、極端に受け身の姿勢になってしまうからです。私のこの提案に対して

 

 

 

『それは良いアイデアだ』

 

とばかり、すぐにHPにその文面を追加してくれる院長もいます。

一方、この提案に対して、

 

 

『確かに、あなたの言っていることは分かるけれど、実際、HPにお互い

 の共同作業などの文面を入れたら、来院前の見込み客から見て、ここの

 院長は、何か頼りないと誤解されてしまう可能性がある。

 だから、わざわざ、そのような文面は入れたくない。それは、患者さん

 が初回来院してから、改めて口頭で説明すれば良い』

 

 

と言われる場合もあります。

私は、これは、どっちも正解だと思います。つまり、予め文章で説明しても良いです。仮に、それが嫌で、毎回患者さんに口頭で説明する方法も、

院長が面倒くさがらずにできるならば、全く問題ありません。

 

このように、施術全体のプロセスの中での伝え方は、院長の個性にあった

方法を採用すれば良いと思います。

それでも、施術の終了後に関しては、私は、全ての院長さん達に共通する

 

『言っては、いけないこと』

 

つまり、

 

『それを言ってはおしまいですよ』

 

というタブー、サッカーで言えばイエローカードに当たるものが存在しま

す。それは、

 

 

『この施術は凄かったでしょう?』

 

 

『こんな施術は受けたことがなかったでしょう?』

 

 

などのセリフを院長が、患者さんに言ってしまうことです。

 

では、この言葉の何が問題なのでしょうか?それは、施術終了後に、院長が患者さんに話しかけるという場面で、こんなことを言われたら、仮に、

患者さんが、それ程、効果が無かったと思ったとしても、この場面では、

 

 

『はい、痛みの軽減で、とても効果がありました』

 

 

『こんな施術は、今まで受けたことがありません』

 

 

など、院長の問いかけに対して、YESという内容しか言えないからです。

まさか、この場面で、

 

 

『全然、効果がありませんでした』

 

 

『たいしたことのない技術ですね』

 

 

などとは言えません。特に、日本人の場合は、なお更です。つまり、施術終了後に、結果的に、患者さんに無理やりYESを言わせるような院長の言動

は、明らかにNGです。仮に、本当に院長自身が凄い技術を持っていたとしても、

 

 

『こんな施術は、今まで受けたことがありません』

 

 

などの言葉は、患者さん自ら感動のあまり言うまで待つべきもので、院長が強制するものではありません。

この点は、文章にすると当たり前に思えます。ところが、意外と少なくない数の技術志向の院長は、つい、うっかりと、このようなことを、施術終了後に患者さんに言ってしまうのです。

 

この点だけは、整体、カイロ、鍼灸など細かい技術の違いを問わず、共通することだと思いますので、院長は気をつけてください。