NLP(神経言語プログラム)は、施術現場で応用できるか?

 

 

 

 

私が心理学専攻で大学を卒業していることから、今まで、多くの院長様から頻繁に

 

「NLP(神経言語プログラム)は、患者さんとのコミュニケーションで役に

 たつと思いますか?」

 

と聞かれてきました。

この問いに関しては、NLPはあまりにも専門的過ぎて、実際の治療院の現場

では応用できないと感じていたし、そのようにも回答していました。

ただ、私自身、NLPだけをゼロから解説した本をじっくり1冊読んだことが

なかったので、先日、改めてNLPの本を買って読んでみました。

 

その結果、下記の3つの理由から、やはりNLPは治療院の現場では使えない

と分かりました。

 

最初の理由は、言葉が良くないからです。なぜなら、NLP、ラポールなどの

英語やカタカナでは、何か言葉の意味が曖昧でふわふわとしていて、イメージが掴みにくいです。

私だって、いきなりラポールと言われても?となってしまいます。

 

二つ目の理由は、NLPのテクニックが、あまりにも難解過ぎて施術の現場で

全く使えないからです。たとえば、

 

「人間は視覚優位、聴覚優位、身体感覚優位と3パターンに分かれるので、

 相手がどのタイプかを見極めることが大事」

 

と書かれています。現実に、院長が新患様と向き合っている時、瞬時に相手がどのタイプなどと見分けられますか?

 

 

また、NLPでは

 

「相手の目線がどの方向に動いているかで相手の意識が、どの方向に向い

 ているのかを見極める」

 

と書いてありますが、こんなの絶対に不可能なはずです。

 

最後は、NLP本を読んで改めて実感したのですが、おそらく院長がNLPを学ぼうとしたら、無意識のうちに、小手先だけのテクニックに走るようにな

る危険性が高いと思います。

 

つまり、お客様から見れば、院長がNLPテクニックを駆使したら、何か誘導

尋問をされている、つまり自分が操作されているように感じてしまうと思います。

 

上で挙げたように、3つの理由から、やはり、NLPは、あまりにも専門的+テクニック重視すぎて、施術現場では使えないというのが私の結論です。

 

 

ただし、例外的にNLPの中でも下記の2つだけは施術現場で応用できます。

 

1)脳には時間軸がない=脳は、過去、現在、未来の区別がつかない

 

2)脳は、快よりも不快の方を強く記憶する(損失回避の法則)

 

特に、脳には時間軸がないというのは、これは言われてみれば当たり前の

ことですが、院長、患者様の両方にとって希望となります。

 

なぜなら、今、目の前にいるお客様が体の痛みを抱えているとしても、脳には、時間軸がないので、痛みがなくなった後の幸せな将来を想像することもできるのです。もちろん、今、痛みを抱えているお客様に、痛みが消えた後の未来をイメージしてもらう為には、院長のヘルプが必要です。

 

たとえば、それはお客様が、問診票の項目に回答している時なのか、或いは、施術中、院長がお客様に説明している時なのか?

どちらにせよ、NLPの中でも、脳には時間軸がないという事実だけは施術現場で役に立ちます。