心に問題を抱えているお客など、明らかに変な「依存体質」のお客には、どう対処すれば良いか?

 

 

答え)

 

院長とお客様との「依存と自立」の関係は、恐ろしく深いテーマなので、

ここでは、簡単に要約して、まとめます。

 

現時点で、私が、この関係で気付いた点をシェアすると、院長とお客様

との「依存と自立」には、合計4種類あります。

具体的に、「依存と自立」の関係について分類すると、以下の通りです。

 

 

1)院長とお客様の間に、既に信頼関係が構築できている。

   この関係にあるお客様は、院長が特に何も言わなくても、定期的に、

   体のメンテナンスとして、治療院に通ってくれる。

 

2)院長が、治療院の売り上げ確保の為、無理やり、お客様を再来店

   (依存)させようとする。

 

3)お客の側が、心の問題を抱えており、院長が何も言わないのにも関わら

   ず、5日連続で来院など、明らかにおかしなペースで、治療院に通い続

  ける。

 

4)院長、お客と両方の側が、心の問題を抱えており、元々、依存体質の

  両者が、お互いに惹かれあう「共依存」のような関係となる。

 

 

1〜4までの「依存関係」のうち、理想は、当然、1の関係となります。

もちろん、これは「理想」なので、現実的に一番多いのが、院長が今月の

売り上げ確保の為に、無理やり、お客様の次回来店を強要しようとするケースです。

 

次に多いケースが、この業界で避けられない負の側面として、明らかに心

に問題を抱えているようなお客が、5日連続で来院など、異常なペースで

通い続けることです。

 

以前、このようなお客に接したことのある院長が、教えてくれましたが、

精神的に依存体質の相手に丁寧に接すると、毎日、夜中に院長宛にメール

を送信し始めるなど、どんどん行為がエスカレートするそうです。

 

その院長も、最初は丁寧にメールで回答していたのですが、結果、更にメール送信回数が増えていく。

もう、きりが無いので、院長が返信のメールを出さなくなると、今度は、

院長に、非難の矛先が向き始めたとのことです。

 

この問題に対する私の回答としては、相手に対して、

 

「批判も共感もしない」

 

です。

この考えは、名著「思考と行動における言語(岩波書店)」の329頁に、

カウンセラーの手法として載っていたケースです。

 

最初のステップは、院長は、相手の言動に対して、一切の批判や非難を

しないことになります。

次に、更に一歩踏み込んで、相手の批判、非難をしないけれど、共感も

しないという態度を取り続けることが大事です。

 

つまり、相手が様々な否定的な感情を交えて、会話をしたならば、そこから、感情を抜き取って、その後、院長は、相手の言葉を繰り返すだけにします。

 

「思考と行動における言語(329頁)」の中では、事例として「私は破産した、だから私は失敗者だ」という相手の話を、「10年前に、私は破産して店をたたんだ」という言い方に変えると載っています。

 

上記のように、相手の感情部分を抜いて、会話を繰り返せば、依存体質の

相手とは、自然と縁が遠くなるようになるはずです。

 

最後に、まれに見かけるのが4)の例で、院長とお客の両方が、心の問題を

抱えており、その両者が、お互いに惹かれあう「共依存」のような関係が

成立しているケースです。

 

ここまでいったら、本末転倒なので、言うまでもなく、このようなお仕事をされている院長は、必ず、定期的に休みを取って、心身のリフレッシュをすることをお薦めします。

 

もしくは、自分の愚痴を聞いてくれるような関係を、友人と築いておき、

いつでも「ガス抜き」できる環境を整えておくことが大事です。