院長の弱みでなく、強みにフォーカスする

 

 

 

私は、治療院コンサルティングを実施する時は、必ず院長に、

 

 

「治療院集客では、自分の欠点、弱点を意識する減点主義でなく、自分の

長所を最大限生かす、加点主義でいきましょう!」

 

 

という内容を、真っ先に伝えます。

では、なぜ、このような視点を最初に持ちだすのかについて、下記に説明

します。

治療院を経営する院長は、ほとんどが1人で運営、或いはスタッフを2〜3人

雇っているだけの自営業者となります。

この規模だと、大企業と比較した場合、当然、経営面で、これが足りない

あれが足りないと、探せば不足している部分など幾らでも見つかります。

ただし、極端に現状のマイナス点ばかりを意識するような視点では、本来

その治療院の院長が持っていた魅力まで、薄れてしまう恐れがあります。

 

特に、島国に住んでいる日本人の多くは、悪気はないのでしょうが、めったに人を褒めず、他人の欠点を指摘ばかりする傾向が強い国民性なので、

自分の欠点だけを過度に意識することは、治療院の集客上マイナスです。

 

では、私は何を根拠に、このような考えを持つに至ったのか?

個人的なことですが、私は、学生時代は、アメリカの大学に4年間留学して

いた為、日米の違いから分かるのですが、日本人は、謙虚で、自分のことを褒めるような国民性ではないです。

もちろん、「謙譲の美徳」自体は、素晴らしいと思いますが、これが行き過ぎると、謙譲の美徳を通り越して、他人もめったに褒めないどころか、人の粗探しをするようになります。日本語には、

 

 

「褒め殺し」

 

「重箱の隅をつつく」

 

 

などの言葉がありますが、これらは、まさに日本人の弱点を意味しています。

 

一方、アメリカには、このような思考法はなく、日本人から見ると、恥ずかしくなる程、大げさに他人や自分まで賞賛したりします。

 

私は、これは大陸と島国の気質の違いだと考えています。

当然、プライベートでは、謙虚な姿勢は大事ですが、大企業でなく個人経営の治療院の集客では、このような極端すぎるマイナス思考は禁物です。

客観的に見て、

 

 

「自分は、どんな点が、他の人より優れているか?」

 

「その自分の長所を、最大限伸ばすには、どうしたら良いか?」

 

 

という積極的な思考法に切り替えていくことが、治療院の経営では不可欠

です。なぜなら、日本人はめったに、純粋に他人をほめることはないので

客観的な視点から見た自分の魅力は何かに気付き、その長所を更にのばしていく姿勢は、治療院の集客上、不可欠です。

 

ちなみに、マネージメントの父であり、ユニクロの柳井会長など、日本でもファンの多い経営コンサルタントのピータードラッガーも生前の著書

「経営者の条件」の中で、長所を生かす手法について、明確に述べています。

以下、下記に、「経営者の条件」の第4章「人の強みを生かす」からの言葉

を引用します。

 

 

「強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいのものであ る。しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。

弱みをなくすことにエネルギーを注ぐのではなく、強みを生かすことに

エネルギーを費やさなくてはならない」

 

 

もちろん、現在、集客上、明らかにマイナスになっている点は、すぐに修正することは必要です。

ただし、基本的な認識として、ドラッガーが述べたように、自分の強み/

魅力は何か?そして、自分の魅力を更に引き出していく為には、どのように表現すれば良いのかという視点を、忘れないことは、もっと重要です。

この視点がないと、

 

 

「自分の治療院では、これが足りない。あれも足りない」

 

 

と現状のマイナス点のみ気付くようになる「行過ぎたマイナス思考の罠」

に陥ってしまうからです。

 

実際、治療院の集客サポートの仕事を通して、私が、多くの院長にお会い

する中で、残念ながら大多数の院長が、客観的に見た自分の魅力/長所に

気付いてません。

 

例えば、私から見て、デザイン的な才能があり、自分でパソコンを使って

視覚的にきれいなチラシを作れる院長がいました。

デザインの才能があるのは、集客上、大きな武器になるので、このタイプ

でしたら、デザインを軸にして、毎回チラシを改良させていく方向から、

集客を展開することが出来ます。

 

それでも、やはり、この院長の強みがデザインであることは、こちらが言うまで、全く認識していませんでした。

 

私が見た中で、明確に自分の長所を認識していた治療院は、1つだけでした。都内にあるその治療院は、オープン以来、お客様が、2桁(10人)以下

だったことがない繁盛院でしたが、院長は、自分の長所を分かっていました。

その院長の長所とは、自然治癒や体の仕組みなどを、目の前のお客様に説明する時に、身振り、手振りを交えて、自然と情熱的に、相手を感化しながら話すことが出来る点です。

このような、院長の情熱的な姿勢が、口コミとなって広がっていくことも

キチンと理解していました。

もちろん、わざとお客様の前で、演技するなどでなく、院長は、自然に、

このようなアクションが出来るのが、自分の強みだと分かっていました。

 

最初に、自分の魅力は何かを正しく認識することが、集客上、どれ程大事

かがお分かり頂けると思います。